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感想【さまよう刃】父の想いに共感できるかどうかで、評価は分かれそう。ネタバレ

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(C)2009「さまよう刃」製作委員会

電話での密告や警察に対しての復讐宣言は、東野原作を思わせる斬新な切り口に感じたが、中盤からエンディングにかけて尻すぼんでしまった印象。長峰織部の葛藤がもっと感じられていいように思いました。小説を映画化して、うまくいった例ってあまり見たことないですね。。。

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犯人宅で娘の凌辱ビデオを目にし、泣き崩れる長峰

さまよう刃】のあらすじ

最愛の娘が、少年達によって、凌辱され殺された。謎の密告電話により、失意のどん底に落ちていた父親・長峰重樹は、犯人を知ることになる。「我が国の法律では未成年者に極刑は望めない!」復讐が何も解決しない虚しい行為だと分かっていながら、父親は自ら犯人を追う――。「警察は市民を守っているわけじゃない。警察が守ろうとしているのは、法律の方ってことですか」娘を殺された父親の気持ちと残虐な犯罪を繰り返す少年を守るかのような少年法の狭間で揺れる刑事・織部孝史と真野信一。それぞれの苦悩と葛藤が交差し、事件は予想外の結末を迎える。
※ABEMAプレミアムより抜粋

さまよう刃】の作品情報・キャスト

原作:東野圭吾
監督:益子昌一
出演:
長峰重樹(寺尾 聰)/妻を亡くして高校生の娘と二人で暮らしていたが、その娘を殺害され、犯人達への復讐を誓う
織部孝史(竹ノ内豊)/警視庁捜査一課の刑事。復讐を予告する長峰を追いつつ、警察としての立場や司法の役割に疑問を持つ
真野信一(伊藤四郎)/織部の上司。時に感情的になる織部に対し、警察としての立場や役割を諭す
製作:2009年
上映時間:112分

さまよう刃】の感想 ネタバレ注意

彼らに課す罰は、死にも値する恐怖

殺された娘の復讐として長峰が実行したのは、銃で犯人を脅し、死の恐怖を与えたうえで後悔・反省を促すというものだった。2人の実行犯のうち、1人は衝動的に殺してしまったが、そのやるせなさを踏まえて、もう1人には更生の道を歩ませたかったのだろうか。

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不殺の結論は、後悔につながるのか

正直、「少年法」とか「司法の役割」とか、大きなテーマについては考える気にならず、「犯人が一瞬恐怖を感じても、結局助かっているのだから、“セーフ!”って思うよな」とか、「極刑を望む被害者家族って多いけど、犯罪者には無期懲役の方がツラいんじゃないか」とかが個人的に残った印象です。

また、空砲の銃を渡したペンションのオヤジさんや、犯人の居所を教えた織部刑事など、長峰に共感できる部分はあるにしろ、「人ってそんなに積極的に他人と関わるかしら」というのが共感できなかった部分でした。自分だったら、傍観してただろうなと思うのは、ホスピタリティの無さかもしれません。。。

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長峰を敢えて見逃したようにも見えた、織部刑事